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■弘仁寺の紫苑と正暦寺の秋明菊 <2005年10月02日> 新聞の「寺の花ものがたり」に載っていた奈良の弘仁寺へ紫苑(シオン)を愛でに出かけてきました。 奈良の南部、天理に近い小高い虚空蔵山の山腹に弘仁5年(814年)、空海が創建したと伝えられる古いお寺です。創建当時の多くのお堂は焼失して今は、本堂と明星堂などを残すだけの静かな古刹です。 シオンの花はよく野にある「ひめじょおん」を大きくしたような紫の美しい花で、そんなに多くあるわけではなく、のんびりとこじんまりと上品に咲いています。そんな様子がまたこのお寺にはふさわしく、豆子好みの静かでほっこりした風情をかもし出しています。 弘仁寺でゆっくりシオンを楽しんだ後、すぐ近くにある「正暦寺」へ。 ここは紅葉で有名なお寺で「錦の里」と呼ばれており、今は静かですがあと1ヶ月もすれば多くの人で賑わうでしょう。またここは「日本酒発祥の地」でもあります。 秋明菊(シュウメイギク)は菊とはいえ、アネモネの仲間で、この時期茶花にもよく使われます。また紫式部と白式部も多くあり、これまた豆子好みの素朴で静かな名刹です(今はね。) このほかにも多数の南天が植わっており、紅葉も終わったあとは、この南天が美しく色づいた赤い実が冬の景色に彩りを添えることでしょう。 ■弘仁寺
■正暦寺
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